味園ユニバース

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作品名味園ユニバース
監督名山下敦弘
評価(星4つ)

公開2日目に観に行ってきました。
主役がすばるくんじゃなかったとしても 好きな映画です。
もしかしたら 好きな映画ベスト10のひとつになったかも…。

<あらすじ>
大阪のとある広場でバンドがライブをしている中、記憶を失った若い男(渋谷すばる)が舞台に乱入し歌を披露する。ざわつく会場で鳴り響いた男の歌声は、周囲の人間を圧倒する。彼の才能に興味を抱いたバンドとマネージャーのカスミ(二階堂ふみ)は「ポチ男」とあだ名を付け、スタジオで働いてもらうことにする。やがてバンドのボーカルに迎えられたポチ男は、喪失した過去の記憶をたどっていき……。





ネタバレ感想です。

公開前にすごく久しぶりのブロ友さんからメールが来ました。
ご本人の許しを得ずに(ごめんね Mさん) 転載しちゃいます。

先日、映画に行ったら、ある予告編がちょっとおもしろそうでした。
「味園ユニバース」
その主人公が歌がうまくて、どこのバンドのシンガーだろう?と思ったら
関ジャニでしたっ!?

すみません、世情に疎くて。
おまけに名前を覚えられなくて。

彼の歌が圧倒的にうまくなければ、説得力のない映画なんです。
観たいなとは思いましたが、観られるかどうか分からないので
今のうちにメール出しました~。


うれしかったですね~ほんとに!
私、ここに2~3年、しつこいくらいに関ジャニ∞のこと書いてましたよね。
まだみなさんに「誰がだれだかわからない」と言われていたころです(笑)
あれから5年ほど経って 紅白にも3回も出て
メンバーひとりひとりのドラマやバラエティ出演が増えて
「あ~ このコがあの時まゆさんが好きだと言ってた関ジャニのコね」って思い出してもらえて。
今回のメールをいただいたことも
私がやいのやいの推してた理由、わかってもらえたかな~って実感できる出来事でした。

Mさんがおっしゃるように、この映画は主人公の歌が上手くなければストーリーになりません。
それもそのはずで
この作品は「渋谷すばるというシンガーを世に認知させるための映画」として企画されたんです。
あのアイドルの事務所が、アイドルの規格外の歌唱力を持つ彼をどうやって売り出していくか?という壮大なプロジェクトを組んだらしいんですね。
思いつきでないことは確かです。
映画はロッテルダム映画祭に出品されて、そのプレビューで異例のライブまで行われて。
滞在中、アムステルダムでのストリートライブの映像は「情熱大陸」かと見まがうような密着レポでしたから。

何気なく映画の予告編を見ていたMさんのような人に
予告編で流れる渋谷すばるの歌声は
たった数秒でもハッとさせられる爆発力があった…と思っていいでしょうか?

ストーリーを要約すると

ムショから出てきたクズのような男が過去を失って
拾ってくれた少女に歌の才能を見いだされる。
少女が男に「生きる目的」を与えてやると同時に
過去を確かめようとして行動したことがきっかけで
男はすべてを思い出す。
過去に自分がいた世界に戻ろうとした男は
結局そこに自分の居場所はないと知り
少女が道をつけてくれた世界へと一歩踏み出す…


このストーリーに沿って 全編に男の歌声が流れます。
その歌声のひとつひとつが 男の台詞代わりであることは間違いなくて
記憶を取り戻すまでの展開は これらの歌によって構成されています。
記憶を取り戻してから また音楽の世界に戻ってくるまでの間は歌がない。

歌がない人生を送ってきた男が
本当に欲していたものとは何だったのか?

それは 歌がうまかった父親への遠い憧憬だった。
男は父親と同じ破天荒な人生を歩んできたが
記憶を失ったことで いったんリセットされる。
身体は彼であっても 心は彼ではないという状態がもたらした奇跡に恵まれ
彼は再生への一歩を踏み出すことになる。
昔、父親がギターで弾き語っていた「古い日記」という歌が
その再生ボタンの役割を果たした…と言えるでしょう。

やくざな男が更生するまでの話に音楽という要素を絡めた
本格音楽映画、と言ってしまってもいいと思う。
ミュージカル仕立ての明るい映画とは一味違う、音楽映画。

物語のキーになる歌「古い日記」
渋谷のソロデビューになった「ココロオドレバ」、「記憶」のほかにも
カラオケで歌わせてみるシーンでは
松田聖子「赤いスイートピー」
スピッツ「チェリー」
MONGOL800「あなたに」の3曲を歌っています。
それから、音楽スタジオで練習しているバンドの曲を鼻歌で。
この鼻歌とか結構ツボでしたね…私は(笑)
一度聞いただけで 何気にふんふんふ~ん♪と歌を再生できるポチ男に
二階堂ふみ演じる敏腕マネージャーのカスミがバンドの代役を思いつく。
このカスミは当初は小学生くらいの少女の設定にするつもりだったらしい(監督談)けど
それではあまりに現実味がないので
実家のスタジオを高校行かずに継いだ女の子という設定にしたらしいです。
それでもずいぶんしっかりした子だったなぁ…
もし小学生だったら…じゃりん子チエを彷彿とさせます。

このカスミとポチ男の共通点は「音楽好きの親父」だったということ。
この映画に母親の影はほぼありません。
父性の強い映画という印象です。男目線。
母親が出てこないせいか、このカスミという子が若いのにたくましい「お母ちゃん」に見えるのよ。
自分より倍以上の歳のおっさんバンドのマネージャーをしてるんやもん。
まさにオカン的存在で。
このたくましさにグイグイ引っ張りこまれて、全体的にまったりした画面なのにバイタリティに溢れてるように見えました。

このバイタリティは舞台が大阪というのも大きなポイント。
どんな困難も笑い飛ばして前に進もうとするポジティブな大阪人の精神が
ド原色の大阪の街という背景に背中を押されて
この映画に色濃く反映されてるように感じました。
同じ大阪人から見ても「THE 大阪」な味園。
そこは、コドモが簡単にオトナの世界に近寄れなかった頃の
昭和の香りがプンプンする街でした。

渋谷すばるの演技力については 奇しくも私はここで何度かとりあげています。
(映画「エイトレンジャー」における演技について)
味園ユニバースは彼のための映画、ポチ男はアテ書きではあったけれども
これ以上の役はもうないかもしれないというくらいハマり役でした。

彼にこれ以上の役を求めてはいけないと思います。
あまり違う役も見たくない。すばるはこれでいい。
もっとすごい彼を見たければ、次は彼が奏でる「音楽」で見よと言われてる気もします。
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by mayukw | 2015-02-23 18:48 | Trackback | Comments(2)
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Commented by しーの at 2015-02-25 10:20 x
そうなんですよ! あの空気の感じ 何かを思い出すって思ったら「じゃりん子チエ」なんですよね!
となるとカスミはチエちゃんで だからおかん属性が強くなるのかな 小学生だったらまんまですね
(ポチ男じゃなくて 茂雄はテツですか)
大阪南の下町出身なんであの空気感はすっごいわかります
子供にはちょっと近寄りがたいあの感じ 私も当時子供でしたから
寝てるのを子供が「生きてる~」とか親に言いに行くのなんかめっちゃ大阪でありそうじゃない?
(今親の立場だったら「近づいちゃいけません」って注意するけどね)
Commented by mayukw at 2015-03-02 22:17
>しーのさん
返信遅くなりました(いつものことで…ごめんね)

チエちゃんよねぇ…あの雰囲気。
ロケ地は西成とは反対側の下町でしたね。

「生きてる~」の子ども、関東の盟友は「あれは大阪の子ならではだよね。こっちの子は近寄りもしないよ」と言ってました。
あとね、ユニバースに赤犬ライブ観に行くの、しーのさん世代の親子ばっかりじゃなかった?
私なら子どもがあのくらいの歳のとき
ユニバース近辺には連れていけなかったわぁ…
(去年中学生を連れていったけど、大阪の田舎住まいの娘はここどこ?みたいな顔してた・笑)


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